2024年8月24日石仏公開講座レポート

毎年夏恒例の石仏講座が大正大学巣鴨キャンパスにて開催されました。第1講から第4講まで、様々な角度から石仏について講話をいただき、45名が聴講しました。

↑ 第1講は諸岡勝氏による《民間信仰板碑》。板碑の意外な秘密を知り、板碑に対するイメージががらりと変わりました。実際に板碑の拓本を見せていただきながらの解説は迫力満点です。

↑ 第2講は山本義孝氏による《墓から修験者(山伏)社会を読み解く―英彦山を中心に》。修験とは何か。墓とは何か。修験道研究の第一人者山本氏が40年間山々を隈なく歩き、発掘して集めた膨大なデータから導き出された修験の本当の姿とは。明治以降の"作られた"山伏のイメージを覆す、知られざる修験の世界にゾクゾクが止まりません。

↑ 賑やかなお昼休みを挟んで、第3講は永井泰氏《出雲の石工と石造物-幻の石工たちの実態にせまる》。長年「来待ストーンミュージアム」の館長を務めた永井氏に島根県からお越しいただきました。石造物を制作する石工たちが作品への自信と誇りを込めてどのように自らの名を刻んだのか。精緻な細工を施したくなる素晴らしい石材と、それを巡る石工たちに思いを馳せました。

↑ 第4講は伊藤義文氏の《大和の古代石仏の特質-頭塔・春日山・地獄谷を中心に》。「大和石仏デジタルミュージアム」を運営し、雑誌への執筆やYoutube動画配信など、大和の石仏の魅力を発信する伊藤氏。頭塔(ずとう)築造の目的や構造、ピラミッド型の仏舎利内部の石仏など、貴重な映像と共に解説していただきました。

今年は例年よりも多くの参加者があり、熱気溢れる公開講座となりました。その後の懇親会では教室では伺えなかった質問や意見も聞かれ、再度盛り上がりました。年に一度の公開講座、遥々お越しいただいた講師の先生方をはじめ、企画・運営に携わった役員の方々、美味しい差し入れやご協力をいただいた方々、お一人お一人にに感謝の気持ちでいっぱいの一日でした。(桑)