【平塚市博物館50周年記念講演参加レポート】
浜田先生が語る「地域の宝」と未来 ~博物館は人生を豊かにする冒険の入り口!~
新緑の眩しい5月、平塚市博物館にて開催されている開館50周年記念特別展「ひらはく50年 市民と歩む地域博物館」に行ってまいりました。
この記念すべき節目に、5月2日には濱野達也館長(本会理事)による講演が行われ、翌3日には浜田弘明先生(本会常任理事)がご登壇!浜田先生の博物館に対する情熱と、膨大活動の軌跡に触れ、講演が終わった今も興奮が冷めやらないまま、このレポートを書いています。
■浜田先生と博物館が歩んだ「45年の物語」
レジュメを拝見して驚いたのは、浜田先生と平塚市博物館との、なんと45年にも及ぶ深い絆です。 先生が大学生の頃、石仏研究のために平塚市博物館の門を叩いたのが1980年。その後、相模原市立博物館の学芸員として開館準備から携わられた先生ですが、そのモデルとされたのもこの平塚市博物館だったそうです。常に第一線で「地域博物館のあり方」を問い続けてこられた先生の語る言葉から、平塚市博物館への深い敬愛と、博物館という場所にかける熱い情熱がビシビシと伝わってきました。
■ 「博物館をもっと身近に」―突き刺さるメッセージ
講演のテーマは「地域博物館の役割とこれから」。 数値的なデータを用いた冷静な分析(リピーターの分布と地域性など)を交えつつも、その核心にあるのは「博物館は私たちの活動をいかに豊かにしてくれるか」という極めて温かい視点でした。何か立派な文化財や歴史的なものを展示するだけじゃない、どんなものでも見方を変えれば興味を湧かせ心に刺さる展示物になる、ということも新鮮でした。
博物館は「もの・ひと・ところ」でできている
博物館は単なる建物(ところ)ではなく、貴重な資料(もの)、そしてそれに関わる学芸員や私たち利用者(ひと)が交差する場所であるということ。この三つが揃って初めて、新しい価値が生まれるのだと学びました。
デジタルアーカイブへの警鐘と「実物」の重み
現在、どのジャンルでもデジタル化が進んでいますが、先生は「資料(実物)があることを原則とする」という、博物館の本質を強く訴えておられました。 「収蔵庫がいっぱいで資料を廃棄する」という今の難しい状況に触れつつも、やはり本物が持つ力、そこから得られる情報の豊かさは、画面越しでは得られない唯一無二のもの。デジタルはあくまで補完であり、本物を守り抜くことの重要性が深く心に刺さりました。
「市民に開かれた」地域博物館
「地域博物館は、専門領域に閉じこもるのではなく、生活課題に立った学際的な視点に立つべきだ」という言葉も印象的でした。一方的な啓蒙ではなく、市民に開かれ、一緒に活動し、学びを深めていく。その実績をしっかり形にしているのが展示室でも拝見した「平塚の石仏を調べる会」の50年にわたる活動なのだと、強く実感しました。
今回学んだメモ:
- 博物館の定義(ICOM 2022): 多様性と持続可能性を育む、社会のための非営利の常設機関
- 利用者の分布: 博物館から30分以内の居住者がリピーターになる(自転車なら5km圏内)
- 法改正(2022年): デジタルアーカイブの規定追記や、地域活性化への貢献が盛り込まれた
- 現在の課題: 収蔵庫の限界(既に満杯の館と9割以上が埋まっている館を合わせると64%にも💧)
■「身近なワクワク」の宝庫!
博物館をもっと自分事に、というお話は私にとって新鮮でした。 正直これまで「私のような素人が行ってもいいのかな」なんて思っていた部分もありましたが、先生のお話を聞くうちに博物館は私たちの知的好奇心を刺激し、活動を広げてくれる最高のフィールドワークの拠点なんだ、と確信しました。
講演の後改めて展示室を回ると、見える景色が全く違いました! 「楽しみながら知る」ことの純粋な喜び。平塚の石仏を調査してきた方々の情熱。ひとつひとつの展示物が私たちの住む街を彩り、歴史を紡いできたことを感じました。
博物館は私たちの活動を楽しく、そして人生を豊かにしてくれる場所。 浜田先生から受け取ったこの熱いバトンを、私も大切にしていきたいと思います。皆さんも連休中、ぜひこの熱気を平塚市博物館で体感してください!
【開催情報】 平塚市博物館 開館50周年記念特別展「ひらはく50年」 2026年5月17日(日)まで開催中。








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(レポート:広報担当)
