会長の随筆箱11

11箱目 修羅

「おれはひとりの修羅なのだ」(宮沢賢治)と常に自問して生きるしかないのが人間だ。そこの気づきを感得できるか否か。人身事故で電車に閉じ込められて、苛立ちを覚えた瞬間、すでに心は阿修羅になっている。人が一人死んでいるのに。

(PEN:SAILOR PROFIT 21〈長刀研ぎN-М〉+INK:SAILOR BLUE +PAPER:明治大学教養論集刊行会原稿用紙200字詰)